magcupの日記

何でも引き付けるカップ、magcup

女工哀史はホントか?

トランヴェール2010/3月号で、富岡製糸工場の特集が組まれた。当時の国策工業、最先端、最新設備の工場に、誇りを持って働く女工の話も記され、哀史とは全くかけ離れた記述になっている。もちろん、現在の労働環境とは比べられないにしろ、実際は給料や設備を考慮すればそれほど劣悪ではなかったのではないか?そもそも農業と工場労働では「働き方」が全く違う。
こちらで、学校の先生が同じような感想を記されている。
それから、「あゝ野麦峠」は原作1968、映画化1979なので冷戦以前であり、自虐史観+プロレタリア闘争の結実ではないだろうか。と思ったら、Wikiで調べると、原作では詳細な聞き取り調査によって「百円工女の恵まれた環境」に言及しているらしい。では、映画の方はと言うと監督山本薩夫で、彼は確かに社会派であり、松川事件の映画化等にも携わってはいるが、wikiによれば、

反体制的な題材を扱いながらも娯楽色豊かに仕上げる手腕・平衡感覚をもった監督であり、興行的にも常に成功していた

とのこと。確かに、明治エリート女工の一代記では面白くないような気がする。
そしてもう一つ、明治にはいって工場制手工業が発展し出した頃の日本人は、トバエのビゴーによれば、ちっとも勤勉ではなかったようだ。仕事中でも頻繁にお茶を飲み、歓談にふけ、ちょうど、江戸時代の大工さんを連想させるような感じであったろう。農作業にしても確かに炎天下できつい作業ではあったにしろ、「ちょっと手を休めて」というのはいつでも出来た。工場労働では「一秒の油断」すら許されないのであるから、人によっては、工場はとんでもなく辛いと言い出す者がいてもおかしくなかったであろう。