magcupの日記

何でも引き付けるカップ、magcup

無線LAN(WiFi)タダ乗り

産経オンライン・ニュース:事件(2010.9.22 22:59)で、「『インターネットを無料で利用できる』とうたい、他人のパソコン用無線LANを無断で使える機器を販売」した大阪のパソコンショップ店長と従業員2人が逮捕され、「機器を購入して実際に利用していた客5人を電波法違反容疑で書類送検」されたもよう。
「電波法の上限の約1千倍に当たる出力」ということだそうなのだが、解釈が微妙で、無許可に勝手に出せる上限の千倍なのか、一応、通信方法がWiFi規格に則った製品なのだから、無線LANの上限の千倍なのか、、、
無線LANスペクトラム拡散と言って、周波数を高速でホッピングさせながら通信しているので、出力上限は、10mW/MHzだそうだ。たとえば、10MHzの範囲で、2000、2001〜2009MHzという9個のキャリヤを0.1秒毎に切り替えて使うとすると、100mWの出力を出して良いことになる。では40MHzの範囲でホップさせれば400mW出せるかというと、40MHzの場合は特例があって、5mW/MHzと厳しくなっているので、200mWが上限である。
それの千倍だと、200Wになるので、えっ?と思うのだが、産経の写真を見ると、本体はやはり数十mWサイズで、かなり巨大な空中線が付いている。アンテナ利得も考慮して千倍、ということなのだろう。
で、それはそれで良くある話(数十年前にトラックのCBが社会問題になったのと同じ)で大したことではないのだが、問題はただ乗りの方である。件の記事には「無線LANの多くは外部からの不正なアクセスを防ぐため、通信データの暗号化などのセキュリティー(安全)対策を施しているが、」と書かれており、その後に、

同店ではセキュリティー解読ソフトと一緒に販売。このソフトは、一般家庭用の無線LAN機器を使う際に設定するパスワードを、3カ月ほどの期間があれば解除してしまうという。

という記載があった。確かに一年くらい前に「WEPが解読された」という記事がどこかで流れていたのだが、製品化されてしまっていたとは!なお、逮捕理由は、
×販売、×WEP解読、×ただ乗り、○電波法違反幇助(店員)、○電波法違反(お客)
だそうだ。JASRACとかの団体はこういうただ乗り問題とかに、理由を何とかこじつけて(WiFi経由で音楽ソフトが違法ダウンロードされるとか)、積極介入すればカスラックとか言われずに感謝されるのに、と思った。