magcupの日記

何でも引き付けるカップ、magcup

セーラームーン太平記

月のプリンセスとしての記憶を取り戻すところを夜中まで見た。四守護神は良く付き合ったものだ。「私たちはうさぎちゃんが好きだから〜」とは良く登場するフレーズだ。現代において自己犠牲を正当化するものはこれ以外にない。
谷崎潤一郎の台所太平記は、谷崎家に実際に仕えた幾人かのお手伝いさんのようすを描写したもので、明治・大正期の家に個人を捨てて仕えた女性の生き方がわかる。文庫本のあとがきに書いてあることだが、彼女らは別に主君に対する大義だけで仕えていたわけではないらしい。お手伝いさんとしてしくじらなければ、その家からお嫁に出して貰え─そのお金持ちの家からお嫁に行くことになる。これは当時としてはとても大きなことだ─、結婚後も、挨拶に行って亭主の愚痴の一つもこぼせば幾ばくかは貰えよう、それが一生続くのだ。台所太平記を読んだ当時、このあとがきにたいそう感銘を受けた気がする。
ところで四守護神たちは、大儀を持っていたかどうかはともかく、お嫁に出して貰えたのだろうか。今風に言うならば、実際に結婚したかどうかというのではなく、自立安定した生活を見つけさせたのだろうか。雛人形三人官女を見ながらそんなことを考えていた。
P.S. 太平記(鎌倉幕府南北朝、足利幕府を舞台とした軍記物語)の太平とは平和を祈願する意味で付けられたそうだ。