magcupの日記

何でも引き付けるカップ、magcup

ICF-500S

今は懐かしいSONY製ラジオICF-500S(発売1970)。ICFの型番はスカイセンサーを思い出させるが、その名前で呼ばれる系列になる前の機種。ダイヤルは巻き取りフィルムによる多回転で、結構、高精度。三バンド、ゲイン調整、外部アンテナなどもついた、なかなかの機種だった。父が購入し、自由に使わせて貰ったので大変思い出深い。
特に、アマチュア無線の交信を聞くために、7MHzのダイレクトBFOを自作したのを覚えている。BFOと言ってもFETたった1個の単なる自励発振器である。こいつの出力をSSBが復調できずモガモガ言っているラジオのアンテナ入力のそばに近づけると、回路の非線形性を利用して、プロダクト検波される。
ラジオ単体では、同調回路の分離特性は全く高くなく、7MHzのバンド(旧バンド7〜7.1)が一度に聞こえてくるありさまだったが、BFOを付けると一変する。バーニヤダイヤルが取り付けられたポリバリコンを指先で微調して行くと一局一局が完全に分離され耳に入ってくる、さすがSSB、と感嘆した。
友人の中には新しいスカイセンサー5800を持っている者もいたが、SSB受信の感度は、驚くべきことに自分のICF-500Sと自作BFOの方がはるかに上だった。
この機種はオプションのSAP-500でFMステレオも復調出来るような仕様になっており、驚くことに今でも使っていらっしゃる人が居るらしい1,2,3,4,5。検索すると沢山出て来る。
昭和40年代後半当時、親戚の家に下宿していた国鉄マンのGちゃん(Kちゃんたちが引っ越して出て行った後の部屋を使っていたと思う)が、末尾型番Sが付かないICF-500(4バンド、AFC付で、こちらがずっと高級機種)を持っており、オプションも揃えてステレオを楽しんでいて、大いに自慢されたが、未だ小学生だった自分はスルーしてしまったのを覚えている。「音楽鑑賞」が楽しいと感じるほど精神的に成熟していなかったのだ。